【東日本大震災から9年】

いまだに暮らしの再建ができず、被災者が取り残されています。

石巻市で在宅被災者問題を社会的に明らかにし支援に取り組む「一般社団法人チーム王冠」の伊藤さんにご案内いただき、二軒のお宅を訪ねました。床一面にカビがはえた台所や腐食した柱。修理したくても、市の独自支援制度が活用できないでいるAさん。

 また、すきま風が入る寒い部屋でこたつとストーブ一台。トイレや風呂がない家で暮らし、入浴は週一回のデイサービスセンターを利用し、トイレは簡易トイレを使うしかないという方も。

震災の時に罹災証明や被災者生活再建支援制度などの各種制度が「病気や制度自体を知らなかった」などの理由で申請できなかったために支援につながらない、生活再建支援金を活用しても基礎支援分は生活費にまわり、加算分だけでは修理できなかったなどの理由で、9年間壊れた家に住み続けているのです。
その解決のためには、アウトリーチで個別の困難に寄り添い、生活再建できる踏み込んだ支援が必要。国が実施した在宅被災者実態調査の結果をすみやかに公表し、具体例な支援制度を国の責任でつくるべきです。